Interview
トップスタイリスト流 拓也が勧める美容室の選び方
ホットペッパービューティーなどの予約サイトは自分に合った美容室を見つける強い味方です。雰囲気やスタッフの方を見るなどお店探しにとても有効です。ただここで、新規クーポンばかりに目をいかせてしまうと、「理想の美容室やヘアスタイリストに出会えない」という問題に悩まされることになります。
男性のお客さまは、どんな髪型にしたいのか、説明するのが苦手で、億劫に感じている方が多い印象。にもかかわらず、毎回新規の店を利用してしんどい思いをされている方が珍しくありません。新規クーポンは確かに魅力的ですが、長い目で見れば、自分に合った美容室やスタイリストを見つけたほうが労力と経済性の面から二重にお得です。
いいお店やスタイリストの探し方として、予約サイトの口コミをチェックすることは有効な方法の1つです。口コミでお店を選んだあとは、担当してくれたスタイリストさんのカットの腕はもちろん、聞き上手かどうかもチェックするといいでしょう。うまく理想の髪型を聞き出して再現してくれるスタイリストさんなら、満足度が高くてリピートしやすいはずです。
ただし、いくら相手が聞き上手であっても、新規の場合は「お任せ」でお願いするのは避けたほうが無難。少なくとも、短くしたいのか、これから伸ばしたいのかだけでも決め、伝えたほうがスタイリストも迷わずにカットができます。髪の長さのイメージが合っていないと、イメージ通りの髪型になることは絶対にありませんし、短くカットした髪をすぐに伸ばすことができないようにカバーするのも難しいです。
お客さまとコミュニケーションを取りながら、理想のヘアスタイルに近づけるのが我々の仕事ですが、最低限、仕上がり後の髪の長さだけは決めておいたほうが満足いく仕上がりになります。
また、ヘアスタイルを維持するために、ワックスやジェルの付け方だけを聞くのもよくありません。セットの仕方を聞くときは、ドライヤーの当て方も教えてもらいましょう。YouTubeの動画などでも、ワックスやジェルを丁寧に教えているものが多いですが、それよりも大事なのはドライヤーの当て方なんです。
ドライヤーを当てて土台を整えておかないと、いくらワックスやジェルをつけてもヘアスタイルは決まりません。逆にドライヤーがしっかり当てられるようになれば、ヘアスタイルは一瞬で整います。
こうしてドライヤーの当て方をマスターして、自分でスタイリストが整えてくれた髪型を再現できるようになれば理想ですが、最後に付け加えるなら、カット周期にも気を使う必要があります。個々の髪型や髪質などによって変化するので一概にはいえませんが、どんな腕のいいスタイリストがカットしても、3週間ほどで髪型のバランスが崩れてきてしまうのが美容師業界の通説です。
これは、全ての髪が均一に伸びたり、同じ方向に向かって伸びてくれれば発生しない問題なのですが、実際の人の髪はそれぞれがバラバラに伸びますし、生えグセといってある部分が左に向かって生えていたり右に向かって生えていたりするので、伸び始めると一部が膨らんで見えたりハネて見えたりする現象が発生しますが、それらを考慮しておおよそ3~4週間でバランスが崩れると言われています。
そのため、お客さまには、1か月から1か月半のペースでの来店をおすすめしています。3週間とか2週間でいらっしゃる方もみえますが、時間を取るのが難しかったり、お財布事情もあると思うので、諸々を考慮してそのくらいの期間の範囲内であれば問題ないと思います。
あとは、行きつけの美容室やスタイリストさえ決めておけば、生えグセや伸び方のクセ、色の入りやすさなど個人の特徴を理解してもらった上で、ご自身のカット周期の相談などもしやすいと思います。
流 拓也
[ ヘアサロンmulum Men’s Stylist ]